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「キキ通信」より・・・

「春近い三月。
まだ風は冷たいのに、日射しは柔らかく、
枯れてしまった庭のハーブたちも、
土の中できっと芽を出す準備をしているに違いないと思う。
日本に帰ってみると、久しぶりに人に会いたくなった。
パリから出てドイツへ立ち寄った時のこと、
この日はやはり日射しが柔らかく ほんの少し、春の訪れを感じた。
そして、人々は待ち焦がれていたかのように、
外へ出て、Cafeで話し込んだり、本を読んだり、
いつまでもゆったりと日射しを受けていた。
こんな時間が、この町の人たちには今もある。
次の朝、この街は花が散るような雪が降った。」
(「キキ通信」 年代不明 より 文章 吉田キミコ)
*
吉田キミコのアトリエから出てきた、懐かしい一枚。
かつての「宵待草」のsalonの生徒さん向けの
お便り「キキ通信」の原稿が出てきました。
あの頃、2月はパリを中心にヨーロッパでの滞在が恒例になっていたので、
日本から戻っての最初のお便りだったのでしょうか。
年代は不明のこの原稿を、
アトリエで拝見していた時、まさに、柔らかな陽射しが差し込み、
新しく育ちつつハーブやアンティークのガラスの瓶、
これから新しく命が吹き込まれようとする人形たちのかけらたちがありました。
「キキ通信」に綴られた吉田キミコの言葉やイラストは、
今でも色褪せない魅力があります。
いつか手元で読める形になればいいなぁと、スタッフはいつも願っています。
次の展示のための作品コンセプトも決まり、
今後の活動に向けて、準備をしています。
どうぞ、見守ってくださいね。
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